第12号 2000年 田中 和彦町長挨拶
田中町長の写真
新たなる100年へ

「自信と誇り」のもてる
ふるさとづくりを推進

 近畿・大社会の皆さんおまめにございますか。
 今年も近畿・大社会の総会が多数の会員の皆さんのご出席のもと、盛大に開かれますことに、衷心より敬意を表しますと共に心からお祝い申し上げます。
 また、昨年10月の大社文化プレイスオープンに際しましては、記念樹として「欅木」をご寄贈頂くと共に、小村会長には植栽頂き、(まこと)にありがとうございました。 欅は、記念樹の丘の大地にしっかりと根をはり、夏の強い日差しの中で万緑を輝かせ、小さなオアシスを提供しています。
 さて、皆さんのふるさと我が大社町では、既に新聞やテレビ等でご承知のことと思いますが、この4月に出雲大社の境内で『出雲大社の古代神殿跡』が確認されました。 49メートルの高層建築を支えた強大な木柱の出現は、20世紀最後の年にふさわしい、まさに世紀の大発見でありました。
 「神々のふるさと」大社町は、出雲大社で有名な町ですが今回の発見は、改めて大社の存在を全国に知らしめたところです。 殊に、出雲国造千家家に伝わる古代の出雲大社本殿に指図である「金輪造営(かなわのぞうえいず)」や平安時代の学者源為憲(みなもとのためのり)が子供用の社会科の教科書「口遊(くちずさみ)」にある「雲太、和二、京三」の伝承が実証されました。
 出雲大社境内は、引き続き「心の御柱(しんのみはしら)」の発掘を中心とする追加調査をしていきます。雲にそびえる巨大な社は「新しい出雲神話」として、大きな観光資源になるものと、その発掘に今から大いなる期待を寄せておるところです。
 私は、21世紀を目前に控え、著しく変貌する内外の社会経済情勢に、迅速かつ的確に対応する行政システムの再構築に努めると共に、住民に最も身近な地方自治体が地域も実情に添った「自性」、「自立性」、「独創性」を発揮し、『活力に満ちた 豊かで住みよい地域づくり』を進めなければならないと考えています。
 こうした観点から、新しい総合振興計画「恋するまち大社」で、本町が目指す将来像とその実現のために取り組む、基本的方向を示したところであります。 今年度はその5年目で、前期終了の節目の年を迎えました。この間、町民待望の大社文化プレイス「うらら館」、町立図書館「でんでんむし」をはじめ、各種の福祉施設や自然体験施設の整備を終えました。
 また、交流の観点から賑わいを復活させようと「出雲の國門前市」、「出雲阿国歌舞伎の公演」等、積極的な支援を行ってまいりました。 特に、今年の出雲阿国歌舞伎公演は、大社文化プレイス「うらら館」で3回の公演を打ち、多くの町民の皆さんや町外の歌舞伎ファンを魅了したところであり、まさに、念願でありました「阿国の里帰り公演」が実現したところです。
 門前町大社は、島根を代表する観光地です。すなわち『島根の顔=大社』なのです。島根県も高速道路網の整備促進が図られ、明春には山陰自動車道の宍道インターが開通の運びとなり、近畿と大社の時間的距離が、より一層短縮されることになります。 このため、交通新時代に対応した21世紀を開く『多彩な交流』の舞台を持ち、歴史と文化を育む「風格あるまちづくり」を進めていかなければならないと考えております。
 勇壮な出雲神話の中で出雲人の力が偉大であったことに思いをはせ、今に生きる私達も『大社』に誇りを持ち、町勢の発展と活性化に力を注ぎ、新たなる100年に『自信と誇り』の持てるふるさとづくりに邁進してまいります。
 「ふるさとは遠きにありて思うもの・・・」と言いますが、大社町の発展と活性化は、近畿・大社会を始めとした、大社出身の皆様方の力強い後押しがあればこそであります。 今後とも、ふるさと大社特使として、変わらぬご支援とご協力を賜りますようお願いしたします。