第15号 2003年 田中 和彦町長挨拶
田中町長の写真
新たなるまちづくりへ向けて

 近畿・大社会の皆さんこんにちは。
 今年も近畿・大社会の総会が多数の会員の皆さまのご出席のもと、盛大に開催されますことに、衷心から敬意を表しますとともにお祝い申し上げます。
 今年の第16回総会は出雲阿国歌舞伎発祥400年の記念総会ということで出雲阿国にちなんだイベントも企画されており、大変楽しみです。
 また、16回という永きにわたり、小村会長をはじめ会員の皆様の世紀をまたがるこれまでのご尽力に対しまして改めて感謝と敬意の念を表するとともに、 これを契機といたしましてますますのご盛会と飛躍を祈念いたします。
 さて、皆さん、ご承知のように、今年は、歌舞伎の始祖である出雲阿国が京都で「かぶき踊り」を始めて400年という節目の年にあたり、 出雲阿国の生誕の地であるわが大社町では、2003年は、『出雲阿国歌舞伎発祥400年記念事業』として、本町はもとより、島根県挙げての一大イベントとして 「坂東三津五郎襲名披露公演」、「全国地歌舞伎交流大会」等多彩な催しで全国へ向けての情報発信に取り組んでいきます。
 この記念事業は、阿国のエネルギーと歌舞伎が醸成した生活文化に込められた民衆の活力や智恵を現代に呼び起し、出雲地方の情報発信と新たな経済効果を生み出す仕組みを構築する契機として、 広く島根の文化・観光・経済振興に貢献することを目指しています。一過性のイベントの集合体に終わることなく、出雲阿国を活かし、 阿国のエネルギーを継承した地域文化の誇りを高め、まさに2003年大社発・島根ブランドの代表として自信にあふれるまちづくりに繋げていきたいと考えています。
 また、今年は世界歴史的灯台100選にも選ばれた東洋一の白亜の大灯台「出雲日御碕灯台」建設100周年にもあたり、記念イベントを予定しており、2003年はまさにイベント一色の一年になります。
 今、市町村運営が大きな変革期を迎えている中で、喫緊の課題となっている「市町村合併」については、平成17年1月中の合併を想定しながら、 出雲市・平田市・斐川郡の2市5町による合併特例法に基づく「出雲地区合併協議会」が、既に昨年の12月に立ち上がっており、事務レベルでの調整も含めた本格的な合併協議会がスタートしております。 合併は「百年の大計」ともいえる大きな問題であり、行政・議会・住民の三位一体となった取り組みが、肝要であることはいうまでもありませんが、各市町との相互理解と信頼関係を大切にしながら新しいまちづくりに積極的に取り組む決意であります。
 「市町村合併」は、単に自治体間や自治体内部の課題であるだけでなく、行政と住民との関わりや地域づくりのあり方に大きな影響をあたえるもので、 今後の地域・コミュニティーの存在意義や存在価値が問われる大きな転換期でもあります。 町では、これまでにも、まちづくりの推進力として地域の総合力が大切として、住民自らが積極的に地域づくりに「参加・参画」を促す自主的・自発的な地域づくり、交流や人づくりなどの支援対策に努めてまいりましたが、 今後ますます地域の力が必要とされる時代がくることを想定し、地域活動や住民参加を促進する取り組み「新世紀協動のしくみづくり」を町を挙げて推進していきたいと考えております。
 特に、今年度においては、町民の参加や活動を広げるため、地域の特性を活かし、町の存在意義を構築する「まるごと博物館百科事典編纂・まちしるべ事業」、 「マイロードづくりや景観・環境づくり」、「拠点づくりや賑わいづくり」等に広く町民の参加を期待しているところであります。
 いずれにしましても、今がまちおこしの時と認識のもと、市町村合併という荒波に埋没することのないように大社町の存在価値、地域独自のアイデンティティが発揮できるように出雲圏域での合併を視野に入れながら、 新たな島根の顔づくり・出雲圏域のシンボルづくり・大社の魅力づくりをめざして、出雲大社・出雲阿国・出雲日御碕灯台等恵まれた地域の文化的・歴史的遺産を活用し、 「歴史と文化を活かしたまちづくり」へ向けて全町一丸となって取り組んでまいります。
 大社町を故郷とするたくさんの人々の故郷への想いを大切にしながら、皆さんの故郷「大社町」がいつまでも「大社町」として輝くように、 そして、大社町に住んでいる人が自信と誇りをもてるようなまちづくりを今後も力強く進めていきますので、皆様方の今後とも変わらぬご支援とご協力を賜りますようお願いいたします。