第2号 1989年 古川(ふるかわ) 百三郎(ひゃくさぶろう)町長挨拶
新たなレールにのって
いきいきとした町づくりを

 近畿在住の大社町出身の皆様、お元気でございますか。
 私こと、去る四月八日、任期満了による大社町長選挙が行われ、町民の皆様の御支援、御厚情により、再度、大社町政を担当させていただくことになりました。 一期四年間の貴重な体験をいかし、皆様のふるさとを、「誇りのもてるいきいきとした町・大社」に築き上げるため、町民一丸となって全力を傾注してがんばっていく所存でございます。
 さて、早いもので、近畿大社会が発会して三年目を迎えました。この二年間、役員の皆様方の東奔西走のご尽力により会員の拡大、組織の充実、諸活動の推進など、 諸般にわたって活発な活動が展開されておりますことについて、地元大社町として心強く感ずるとともに、敬意を表するところでございます。
 すでに皆様も御存知のとおり、去る三月三十一日をもって、JR大社線が七十八年間の歴史に幕を閉じました。明治から平成へと時代を越えてひた走り歴史を刻んできた鉄路、また、私たちとともに出会い、 別れなどの思い出を刻んできた大社駅に別れを告げることは非常に惜別の念、大なるものがありました。しかし、この歴史的転換期をいかに大社町の新しい町づくりへの契機としていくかが、今後の私の、 更には町民みんなの使命と責任であると考え、現在、バス転換による波動輸送対策について「まちづくり整備計画」の仲ととらえ、道路網の整備、駐車場の整備などについて鋭意努力しているところでございます。
 また、三月には県の「まちむら活性化対策事業」の指定をうけ、 ”出会いを大切に、交流型の観光地づくりを目指そう” をテーマとした「ご縁タウン・大社」推進計画の推進母体として、行政と民間が一体となった「まちづくりご縁会議」を結成し、 ”ご縁の町=出会いの町” の歴史と文化を充分に感じてもらえる町づくりを推進したいと思っております。
 地方の時代、地域活性化といわれて長い歳月が過ぎた今、これからは住民の動きをいかした民間の時代だといって過言ではないと同時に、地域のイメージ化、らしさが最重要だと考えます。 本町でも昨年に引き続き、先般五月十六日には、松竹歌舞伎の『お練り』『奉納舞』が行われ、三万人の人出でにぎわい、”阿国生誕のまち大社”を強く印象づけました。 また、八月十日には、世界的なシンセサイザー奏者・喜多郎の「古事記」をテーマにした「出雲大社奉納 ”喜多郎” コンサート」が出雲大社境内で行われます。
 七十八年の思い出を刻んだレールに別れをつげ、今、私たちは明日の活力あるまち大社へと向け、新たなレールに乗って出発です。大社町出身の近畿大社会の皆様の新しい町づくりへの御指導、御助言を今後ともよろしくお願いいたします。