第3号 1991年 古川(ふるかわ) 百三郎(ひゃくさぶろう)町長挨拶
合併四十年の節目の年

〜『吉兆館』建設に着手〜

 近畿在住の大社町出身の皆様、お元気でございますか。
 早いもので、近畿大社会が発足して四年目。役員の皆様方の東奔西走もご尽力によって、会員の拡大、組織の充実、諸活動の推進など、貴会のますますの発展は目をみはるものがあります。  私も、毎年この総会、つどいに参加させていただいておりますが、皆様のふるさと、大社の町民として心強く感ずるとともに、敬意を表するところでございます。
 さて、JR大社線がバス転換されて一年数カ月がたちました。そして今、この歴史的転換期を、今後の大社町の新しい町づくりへの転機とするため、町民一丸となって各種の取組みを行っています。
 たとえば、神門通りの電柱類、街灯、ミニ公園など景観整備の短期的事業については既に完了し、特に先導的に取り組んでいる「ご縁広場」、「みせん広場」の整備事業は、 昨年末、用地整備を完了し、本年正月の波動対策に、駐車場としての機能を発揮し、所記の成果を挙げ得たと考えています。
 そして本年度は、この二つの施設整備に本格的に着手し、ご縁広場は舗装工事、排水工事などを実施、みせん広場は舗装、休憩施設などの整備を行うこととしています。 また、ご縁広場の中核的施設となる『吉兆館』は、二ヵ年継続事業として取り組み、大社町の新たな観光拠点として、回遊型観光につながる施設として整備を図って行くこととしています。
 次に、町民福祉向上の観点から長年検討を重ねていました特別老人ホームが、社会福祉法人により本年度建設の運びとなりました。そこで町としましては、ディ・サービスセンターを併設し、高齢者福祉対策の充実に努めていきたいと考えています。
 また、昨年三月に県の「まちむら活性化対策事業」の指定を受け、 ”出会いを大切に、交流型観光地づくりを目指そう” をテーマとした「ご縁タウン・大社」推進計画の推進母体として結成した、行政と民間が一体となった「まちづくりご縁会議」も、 交流、環境デザイン、観光産業、情報化の四つの専門委員会で各種の取組みが行われています。出雲阿国国学研究大会、大学生の合宿誘致運動、景観と環境づくりのためのシンポジウム等々、バラエティーにとんでいます。 大社会の皆様方にも、交流委員会が開催した「近畿大社会との交流会」では大変お世話になり、この場をかりて厚くお礼申し上げます。
 本年は、昭和二十六年四月に、大社町、荒木村、日御碕村、鵜鷺村、及び遥堪村の一町四村が合併し新しく「大社町」が誕生して四十年という記念すべき年を迎えました。 幾多の変遷の中で、四十年という貴重な歴史を築き上げられた多くの先人の功績に感謝するとともに、来る二十一世紀に向けての新たなまちづくりのために、合併四十周年記念の各種事業も計画しております。 この記念すべき節目の年が、新たなまちづくりの飛躍台となるよう町民一丸となって前進していく所存でございます。近畿大社会の皆様方の、今後とも変わらぬ御指導、御助言をお願い申しあげご挨拶といたします。