第8号 1996年 田中 和彦町長挨拶
田中町長と交換留学生との写真
スマイル大社・郷づくり

『定住と交流』のまちづくり

 近畿・大社会の皆様お元気ですか。
 ふるさと大社町も、行政と町民の協動体制による地域づくりを一歩一歩着実に推進しているところでございます。
 特に、本年は、本町のあたらしい総合振興計画を、21世紀に向かっての町づくりの指針として、 ”あした(21世紀への創造)” =『恋するまち大社ー1996〜2010』と銘打って策定しました。
 この計画は、「ずっと住みたくなるまち」=定住環境の整備、「何回も訪ねたくなるまち」=交流環境の整備を基本理念とし、『定住と交流』のまちづくりを大胆な発想と迅速な行動力をもって推進し、 町勢の一層の発展と町民福祉の向上を目指し、『恋するまち大社』の実現に全力を傾注してまいる所存であります。
 今後とも、厳しい財政状況下ではありますが、物的豊かさを実現するハード事業としての施設整備と、町民の皆さんのまちづくりに対する意識、情緒、創意といった「心」の部分が反映されるスフトな取り組みを重視し、 町民一人ひとりが主体的に意欲をもって参加し、愛情を込めて自分たちのまちづくりに参加できる行政推進に努めてまいります。
 特に、今後のまちづくりの基本は、まちの特性を生かし、それぞれの拠点や地域の特性に応じた、ふさわしい施策や事業を計画的に展開していくことが大切だと考えております。
 そこで、次の6つの拠点

1.文化交流拠点《世界文化創造の郷》
2.健康・福祉交流拠点《浜遊の森》
3.海洋体験型観光レクリエーション交流拠点《日御碕マリンミュージアム》
4.学習体験型レクリエーション交流拠点《うさぎわんぱく村》
5.浜山新居住拠点《住まいるタウン》
6.農業活性化交流拠点《花・水・木の郷》

を『恋するまち大社を、拓く6つの拠点』と位置付け、個性あるそれぞれの拠点整備が相乗効果と魅力を増幅させる総合的な交流空間となり、 まち全体が交流の舞台となるような拠点整備を進めてまいる所存であります。
 この計画の初年度に当たります、本年度の特色ある事情展開を若干ご紹介申し上げますと、平成7年度、町民参加を基調とした総合的なまちづくりを推進するため、町内の地域、団体、グループ等で、 計57の各種の郷づくり事業に1千万円を助成し展開してもらった「スマイル大社・郷づくり事業」の成果を踏まえ、更にステップアップを目指す「恋するまち大社・郷づくり事業」に助成金1千万円を予算計上し、一層の地域の活性化と人づくりに努め、「参加機会の多いまち」づくりを推進していきます。
 一方、大社町における「有線放送電話」は、昭和39年から町民の方々に愛されてきましたが、昭和47年自動化した現有線放送電話も、24年を経過し老朽化し、この度、地域情報システム・『大社ご縁ネット』整備事業として平成8・9年度の2か年で取り組むこととしました。 この事業が単に有線放送電話の更新に終わることのないよう、幹線は光ファイバーを布設し、昨今の高度情報化時代に対応できるシステムづくりを手掛けていくとともに、このネット網を活用し、福祉、防災施策等も展開していくこととしております。
 縷縷(るる)申し上げましたが、新しい総合振興計画「恋するまち大社」づくりを積極的に推進するため、本年4月から一部組織体制の見直しを行い、定住推進室、文化推進室、 観光商工推進室の三室を設置するとともに、参事制、企業調整スタッフ制を導入し、総合的な行政推進と、大社らしさのある行政運営を行っていくこととしております。
 今後とも、行政と町民の協動体制によって、21世紀を見据えたまちづくりを進めていく考えでおります。どうか、近畿・大社会の皆様におかれましても、今後とも変わらぬご指導、ご協力をお願い申し上げましてご挨拶といたします。