第9号 1997年 田中 和彦町長挨拶
全国大会出場の大社中学選手代表を激励する田中町長の写真
大社の持つ魅力を活かした町づくり

 昭和63年、小村会長をはじめ発起人の方々の東奔西走のご尽力で発会して以来、早いもので10周年という記念すべき節目の年を迎えられた近畿・大社会の皆様方に対し、衷心から敬意を表しますとともにお祝い申し上げます。
 さて、皆様のふるさと大社町は、日本海に面した全国でも有数の自然景観、歌舞伎の創始者・出雲阿国など、日本を代表する町民共有の宝が豊富にあり、今後とも、この魅力をいかに引き出し、どう再生していくかが最大の課題であると認識しております。
 一方、まちづくりの基本指針として「ずっと住みたくなるまち」、「何回も訪ねたくなるまち」を基本理念に、新しく昨年からスタートした総合振興計画『恋するまち大社ー1996〜2010』で計画している、 『定住と交流』の町づくりを大胆な発想と迅速果敢な行動力をもって推進し、大社町の一層の発展と町民福祉の向上を目指して、町民一丸となっての取組みを展開していく所存であります。
 特に、今年度取り組みます施設整備事業についてその一部をご紹介申し上げますと、長年の懸案でありました町民文化会館・町立図書館の建設にいよいよ着手します。 また、今年度完成を目指す。鵜鷺森林公園整備事業の推進をはじめ、日御碕のふれあいセンター。湊原ふるさといきものふれあいの里の学習センター、JAいずも大社中央支店を購入しての健康福祉センターの設置など、地域の活力を生み出し、 新たな町づくりの布石となるよう、それぞれの施設や地域が持つ特性を十分に生かし、相互に連携し、相乗効果が発揮できるよう、体系的かつ一体的な整備を進めていきたいと考えております。
 また、島根県東部の22市町村は、出雲・宍道湖・中海地方拠点都市地域を「日本海国土軸形成の中核となる広域都市圏の創造」と位置付け、拠点都市地域整備事業の計画を策定しました。 この計画では、大社町は「出雲大社・文化歴史拠点地区」に位置付けられ、出雲文化形成の核である出雲大社を中心に、世界に誇る文化遺産を活かした地区として整備していくこととなりました。 この機にあって、町としましても、杵築地域を「世界文化創世の郷」と位置付け、出雲大社の世界文化遺産登録という大きな目標を定め、世界に開かれた文化都市の実現を前提とした、 文化創造のための調査・研究・各種事業を展開するなど、この大きな目標に向けての条件整備をすることとしております。
 今後とも、厳しい財政状況下ではありますが、豊かさを実現するための基盤整備と、町民皆さんの町づくりに対する意識、創意といった「心」の部分が反映されるソフトな取り組みを重視し、この両面が相まった諸施策の展開を推進してまいります。
 どうか、近畿・大社会の皆様方におかれましても、ふるさと大社・恋するまち大社のために、今後とも変わらぬご指導とご協力をお願い申し上げますとともに、 この10周年を契機に次の節目へと向かい、会員各位の結束により、ますますご発展されますことを祈念申し上げご挨拶といたします。