第26号 酒井 カヂ子 (玄光院))
酒井カヂ子写真
友人と出雲大社に参拝す

 ふるさとを離れて、永い年月がすぎました。
 出雲大社のすぐ近くに生まれ、幼い頃から大社の広い境内が遊び場でした。雪が降れば参道をスキーで滑り、椿の花が落ちると笹の枝に通してままごとをし、どんぐりでコマを作ったり、栗や椎の実を拾って食べたりもしました。 夏は稲佐の浜で海水浴、堀川ではシジミ貝やカラス貝を採り、遠足で登った弥山からは築地松点在する簸川平野が一望できました。海あり川あり山あり、さらに神様までおいでになる。大社は実に良いところだと、今も帰省するたびに、地元にいる兄妹たちと語り合います。
 若い頃から仕事の関係で名古屋から東北、京都と住み歩いたせいか、身に付いた各地の方言が会話に混じることがあるのですが、 相手の方から「どこのお生まれ?」と不思議そうに訊かれた時は、ここぞとばかりに、わが町大社がいかに素晴らしいところかをひとくさり語らせてもらいます。
 そんな自慢話の甲斐あってか、友人が「一度あなたのふるさとに行ってみたい」と言ってくれました。折よく、60年に一度の大遷宮。勇んでツアーに申し込み、出かけて行ったまではよかったものの、帰りの道路が大渋滞。 予定を5時間オーバーして夜中の3時に京都に帰ってくるという、長い一日となりました。
 しかし友人は、出雲大社で感じた歴史の重さと荘厳さ、稲佐の浜で見た神話そのものの光景が心に沁み、もう一度、今度はゆっくりと、温泉や郷土の味も楽しんで、出雲の風土に触れる旅をしたいと言ってくれました。
大社町堀川の風景写真  そこで、今年の秋にでも、お連れを増やして大社に行く計画を立てています。大遷宮に続いて、またもや折よく、おめでたい話題に包まれる出雲大社に、皆で参拝できる日を楽しみにしています。
 最後になりましたが、大社会には既に7回も参加させていただいており、いつも深く感謝いたしております。
 大切なふるさとの繁栄と、そのふるさとを同じくする会員の皆様方の、益々のご活躍とご多幸を、心よりお祈り申し上げております。

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