第15号 2003年 小村(こむら) 多一会長挨拶
小村会長写真
近畿・大社会の名称は不滅です


 永年親しんできた古里の名称が変わるようである。大社町広報によれば、全国的に展開している市町村合併に歩調を合わせ、二年後の平成17年1月には、2市5町が合併して新しい市が誕生するという。 すでに合併相手も、出雲市、平田市、斐川町、佐田町、多岐町、湖陵町、大社町の2市5町と本決まり、昨年末には、それぞれの代表者が集まり、出雲地区合併協議会を設立して、その日に備えている。
 新しい波が古いものを押し流して行く。そこには当然個々の感情や利害が伴うものの、大局に従い着々と実現の方向で動いているのは、やはり時代の流れともいうべきか。 昨年末から本年にかけての広報を拝見する限り、そのための為政者の努力たるや大変なものが伺われるし、また新しい理想を旗印に、次から次へと提案件数も多いように見受けられる。 それはそれで結構なことと思うけれど、はじめに合併ありき・・・だから、有無を言わせぬ速度で、すでに「新市名称の大募集」もあって、この5月末で締め切られた。 おそらく本年中には、新市名称は決まるだろうが果たしてどんな名称になるだろうか。われわれの関心度も極めて高いものがある。
 いまのところ中心的な役割を果たしているのは、やはり県中央部の中核都市・出雲市である。人口は約8万7千人(平成12年10月調査)と圧倒的に多いし、当然『出雲市』の名称存続を全面的に押し出してくるだろうし、 3万人弱の平田市や2万6千人の斐川町だってそれぞれ言い分や思惑もあるだろう。問題は日本一の出雲大社のある町として知られている大社町の存在である。 島根や鳥取が何処にあるのか知らない人達も。あの縁結びで有名な出雲大社は誰でも知っている。
 出雲市でも平田市でも、あの全国区の「大社」の名称は欲しいだろうというのが、大社町に住んで居る人達の考えのようだが、 斐川町や佐田町にしろ、また多岐町や湖陵町にしても、それぞれ使い慣れた町名は大事に存続したいだろうと、つい思ってしまう。
 聞く所によると古里では、17万3千人余となる『出雲大社市』の誕生を願っている人が多いとか。僅か1万6千人の人数で、その願いは叶うだろうか。 一抹の不安はあるものの、われわれ顧問幹事会も古里の人達に呼応するよう、都市名称募集に応じたことをお伝えして、その結果を見守ることとする。 しかしながら新市の名称がいかに決まろうとも、われわれ『近畿・大社会』の存続と名称は不滅であることを明言しておきたい。