第9号 1997年 小村(こむら) 多一会長挨拶
小村会長写真
あいさつ

 近畿・大社会が、大社町出身者の会として誕生したのは昭和63年のことで、「親睦」の輪を広めながら、皆様に愛され続けてここに創立10周年を迎えることができました。この永きにわたって当会に賜りましたご支援ご協力に、まずは心より御礼を申し上げる次第でございます。
 さて、この10年。あっという間の年月のようにも思われますけれども次から次へと変わる社会情勢の変転を振り返ってみますと、やはり相当なる年数経たものと思わざるを得ません。特にこの10年間は、我が国の歴史上、類を見ない激動激変の時代であったことは、皆様方も広くご承知のことと思います。
 創立した翌年の昭和64年1月7日、昭和天皇の崩御により年号が「平成」にかわったのを始め、バブル景気で浮上した土地神話が崩壊、希に見る不況時代の到来は、未曽有の失業や就職難時代に連なりましたし、 追い打ちをかけるように平成7年1月17日には、阪神淡路大震災の被災をまともに受けたばかりか、地下鉄サリン地獄にテロ事件。近いところではペルー・リマでの日本大使館公邸人質事件にロシアのタンカーによる日本海への重油流失事故に続き、つい先日には、神戸市須磨区で14歳の少年が、児童を惨殺する大事件が起きましたし、 東京湾ではパナマ船籍が座礁、原油が流失するなど、ここ10年間の社会情勢はまことに波瀾万丈。明るい話題も確かにございましたから、どちらかといえば暗い話ばかりに終始したような感じさえ致します。
 そんな情勢下にありながら、皆様のご支援をバックに近畿・大社会が誕生。本日ここに10周年を迎えたわけです。思えば昭和63年6月25日、ほんの数十名で開催予定の発起人総会に参加希望者が増え続け、 総会当日にはなんと116人にも膨れ上がり、急遽開催場所を変更するという嬉しいスタートもございました。
 毎月毎日がお祭りのような出雲大社のお膝元で生まれ育ったせいか、大社町人は根っからのお祭り人間の寄り集まりのようで、二度も国政選挙日と重なりながら、 毎年開催する総会には、常に大人数の人々が参加していただいたことは、近畿・大社会の自慢であり、また誇りでもございます。 ふるさとを共にした連帯感からくる大社町への慕情。そしてそこから生まれる当会にかけられる情熱は、素晴らしいエネルギーともなって燃え続けてようでございます。
 本日、ここに創立10周年の記念総会を開催するにあたり、産みの親のひとりである前町長・吉川百三郎氏の功労を称えるとともに、立派に後を引き継いで頂いた現田中和彦町長をはじめとする地元各界代表の皆様に、重ねてお礼申し上げます。
 そして長年に亘り近畿・大社会を支えて頂いた会員の皆様。わけても顧問・幹事の、いわゆる「恵まれたスタッフ」の皆様にも、併せてお礼を申し上げる次第でございます。
 この10年を契機に、来るべき二十一世紀に向けて限りない前進を続けようではございませんか。皆様とともに祈念したいものです。