第4号 1992年 古川(ふるかわ) 百三郎(ひゃくさぶろう)町長挨拶
四十年の歴史を礎に・・・

〜来春には『吉兆館』がオープン〜

 近畿在住で本町出身の皆様と、ふるさと大社とのきずなをより強く持とうと、『近畿・大社会』が結成されて早いもので五周年を迎えられ、地元大社町として心強く思いますとともに、町民こぞってお喜び申し上げます。 これも、役員各位のたゆまぬご努力によっての、会員の拡大、諸活動の推進などによる結晶だと敬意を表する次第でございます。
 皆様のふるさと大社も、昨年、昭和二十六年に一町四か村が合併してから四十年という大きな節目の年を迎えました。十月には、大社会を代表して小村多一会長様にもご臨席をいただき記念式典を挙行し、新たな節目へとスタートいたしました。 幾多の変遷の中で、四十年という貴重な歴史を築き上げられた先人の功績に感謝するとともに、この歴史を礎として新たなふるさとづくりに専念していく所存です。
 さて、平成二年三月三十一日、JR大社線がバス転換して早いもので二年が経過しました。この転換を契機に、新たな地域振興策をと進めております道路網、駐車場整備をはじめ、観光客の回遊性のある滞在型観光の拠点として先導的に取り組んでおります。 国道四三一号沿いの「みせん広場」につきまして、昨年の十月に使用開始しました。国道をはさんで北側の駐車場と、南側の便所、休憩所を備えた多目的広場は各種のイベント会場として最適であると考えています。
 次に、平成二年度から造成工事にとりかかりました、旧大社警察署付近に設置する「ご縁広場」につきましては、中核的施設となる『吉兆館』建設工事も順調に進んでおり、来春オープンを目指しています。 吉兆館内部の展示につきましては、吉兆((はん))を中心とし、文化・歴史・信仰などに関する資料を常設展示するほか、周囲三百六十度に張り巡らされた紗幕をスクリーンとしたサークルビジョンシステムの映像によって、吉兆神事を中心に本町の自然と町民の暮らしを紹介し、観光情報発信基地にしたいと考えています。
 また、ソフト事業としての県の「まちむら活性化対策事業」の指定をうけて取り組んでいるまちづくり事業も、『出会いを大切に、交流型観光地づくりを目指そう』をテーマに、行政と民間が一体となった「まちづくりご縁会議」を推進母体に、近畿・大社会との交流事業をはじめ、出雲阿国国学研究会、ご縁朝市、パソコン通信観光情報ネット実験、 ちびっこデザイン教室、縁台づくりなどの各種事業を展開しています。継続中のサイン整備事業、今年度は駅通り、神門通りを ”ご縁の道” と称し、各種案内板、レリーフ看板などを整備することとしています。 これらの事業は、わが町に愛着心を持ち、誇りのもてるふるさとづくりの一助となるよう、今後とも町内の民間の協力を得ながら、特に若い力をいかして活動を推進したいと思っております。
 四月には、大社町ディ・サービスセンターを併設した特別老人ホーム『いなさ園』が町内湊原地区内にオープンしました。六月には、全国のぶどう生産業者が集い、本町を会場に研究大会が開かれました。 また、十月には、全国スポーツレクリエーション祭が、県立浜山運動公園を主会場に行われ、大社町でも、ソフトテニスの競技会場を受け持つことになっています。 このように、各種の取組みの中から、町民の皆さんの参加意識を助長し、活力あるふるさとづくりを進めたいと考えております。
 大社町出身の近畿・大社会の皆さん!今後とも変わらぬ ”ふるさと大社” へのご助言、ご指導をよろしくお願いします。
 来春には、光と音とが一体となってスクリーンに繰り広げる、ロマンの旅へのいざないを、『吉兆館』において十分満喫していただきたいと思います。お待ちしております。