第35号 中尾 栄治
         
出会い演出 ”苦楽のゴルフ”

 ゴルフに出会ったのは40数年前、インドネシア・ジャカルタへの出張を言われた時である。29歳だった。「中尾、ゴルフするのか?」「いえ、したことがありません」「向こうに行ったら毎週(土曜日)ゴルフやからお前もやれ!」。こう言われ、同僚に一度だけ練習場へ連れて行ってもらった。  止まっているボールを打つのは簡単と思っていたが、まあまともに当たらない。あれこれ指導を受け、訳もわからないまま現地でコースに出た。当然、空振りするわ、クラブを飛ばすわ、とさんざんであった。でも芝生がフワフワしていて歩くのがとても気持ちよかったのを今でも覚えている。
 それからは年数回誘われてラウンドする程度であったが、40代になって仲間との月いちゴルフをするようになった。練習してはラウンドに行く。繰り返すうちに、たまにではあるが、自分の思い描いているスイング、ショットができるようになった。その時の快感、満足感が忘れられず、徐々にゴルフにはっまていったのである。
 だが、基本を教わっていない悲しさか、ボールは距離こそでるものの右に左にと方向は意のままにならない。「よし、次回は今日の課題を練習してリベンジするぞ」と意気込んでは、みごと返り討ちに遭うという繰り返しであった。継続は力、ということか。試行錯誤している中ついにベストスコアー81が出たのである。
中央が中尾さん。近畿大社会の尾川滋さん(左)安井信雄さんと和気あいあいのラウンド
 
 ただ、年と共に飛距離は落ち、得意としていた4番アイアンは使わなくなり、飛距離より方向性重視に考え方も変わってクラブはウッド系を増やしてきた。ゴルフ環境の変化もあった。仕事を辞めてから現役時代からのゴルフ仲間が減り、ラウンドする機会がめっきり減ったのである。
 そうした中で思いついたのが、「一人ゴルフ」だった。メンバーがいない人が集まってプレーする。思い切って参加したところ、気の合う人と「次も一緒にプレーしませんか」となった。今では3組のプレー仲間ができ、毎月ラウンドしている。自営業、主婦、元会社員など様々な人と知り合えたことは、ゴルフをしていたおかげだと思っている。 この一人ゴルフの仲間とのラウンドを含め、月に5、6回のゴルフを楽しんでいる。その中には近畿大社会メンバーのグループもある。もちろん出雲弁丸出し。気兼ねなく、和やかにプレーしている。
 ご多分に漏れず、悔しさと楽しさ、失意と得意が繰り返される私のゴルフであったが、多くの出会いをもたらしてくれた。元気にプレーをする先輩の姿を見るたびに、私もできるだけ長くラウンドできるよう、体の手入れに努めたいと思う。

リターン