第35号 浦部 利
一曲入魂 ”カラオケ道”

 ♪あの人この人 あの顔この顔 みんなどうしているんだろう…元気でいるか 変わりないか 遠き昭和の まぶしい時代―小林旭「遠き昭和の」の一節です。近畿大社会の皆様の多くは昭和生まれの昭和育ち、ふるさと大社と何らかの縁を持つ方ばかりですから、この会での交流は私に安心と喜びとパワーをもたらしてくれます。 同様に私の居場所としてなくてはならないのが、カラオケ好きの参集する集いです。店の名も「集い」です。
 「能勢電県人会」と称し、毎月第一木曜日の正午から5時までスナック「集い」(能勢電鉄・多田駅下車7分、道路を挟んで「餃子の王将」向かいのビル1階)で喋ったり、歌ったりしています。もちろん貸し切りです。最初の1時間ぐらいは近況報告、連絡事項、帰省の土産話、ふるさとの話題など情報交換すると、ふるさとモードが満開。 ママの手料理とアルコールで気分が盛り上がり、滑舌も良くなったところでカラオケタイムの開演となります。
マイクを手にご機嫌の浦部さん(撮影 本間昭さん)
 会員は11名(男性5名、大津・斐川・木次・佐田・大社)(女性6名、平田・安来・大阪3人・石川1人)です。他府県出身の方が4名おられますが、平田出身の女性の友人や両親が松江近辺に住まわれたことがあるという女性などご縁のある方たちです。昨年の大社高校の甲子園出場の際には大いに祝ってもらい、鼻高々でした。他校の卒業生にもかかわらず、私に大社高校への寄付を託された方もおられます。
 近くにあったカラオケ喫茶「だんだん」のママが平田の出で、その縁で集まるようになったのが発端とのことですが、ママが亡くなり、客のひとりでもあった「集い」のママが後を引き継ぐ形で店を提供し、今日に至っています。
 さて、メインのカラオケタイム。マイクが六巡することもざらにあるため、選曲に悩むこともあります。選曲、歌い方、テーマ、感情表現など、それぞれに個性が出ていて実に面白い。例えば、@民謡が得意で「ふるさと」を歌わせたら右に出る者がいないほど上手な方Aせりふ入りの歌が好みで、そのせりふのほうがすこぶるうまい方B水森かおり系、美空ひばり系、都はるみ系など特定の歌手限定で勝負する方 Cデュエット曲のうまい方D毎回新曲に挑戦される方など、バラエティ−に富んでいます。ふるさとにちなんだ歌も多く披露されます。「こんな歌もあるんだ」と毎回のように驚かされます。その歌の数々は文末で紹介します。
 私が初めて参加したのは、2016年の7月25日でした。通い出して、もう9年になろうとしています。私の所属するシニアソフトボールチーム「猪名川迷球会」と定期戦の相手チーム「豊能シニアズ」の懇親会がきっかけでした。私の出雲弁を豊能シニアズのSさんが聞きつけて同郷だと分かり、そのSさんから誘いを受けて「だんだん」に足を運ぶようになりました。皆さんと顔を合わせ、飲んで、喋って、歌って、「また来月、元気で会おうね」 と笑顔で別れる。たったそれだけのことですが、大いに元気をもらっています。かけがえのない居場所ですから、万難を排して出席に努めています。
 私は大衆演劇の大ファンで、ひところは大阪・新世界の「朝日劇場」に年4回ぐらい足を運び、2時間を超える歌舞ショーを楽しみました。大衆演劇になくてはならないのが演歌。演歌(艶歌・縁歌・宴歌)大好き人間なのです。なかんずく船村徹・弦哲也の曲が好きです。
 最近よく歌うのは「好きだから松江」(伊吹ゆかり)、「舞酔い雪」(大川栄策)、「おんなの灯り」(角川博)、「私には貴方だけ」(桂銀淑)、「東京砂漠に咲いた恋」(水田かおり)、「倖せさがして」(五木ひろし)、「夕陽の空へ」(清水博正)などです。
 集まりの1週間前には歌う曲を決め、CDやYouTubeを聴き、歌詞や音程を確認しますが、基本的にはぶっつけ本番です。ただ、近頃思うのは、他人と比べたりせず、自分が楽しいと思うことを追求し、自分の持ち味を出すことが大事ではないかということです。その上で、どなたに、どのように、声と想いを届けたらいいか。 「一曲入魂」のタイトルを付けたカラオケノートに覚えたい歌の歌詞や歌唱した時の気づきなどを書き込んで、日夜腐心(?)しています。  
 以下、ふるさと関連の曲です
「好きだから松江」 「哀愁の奥出雲」 「夕陽の空へ」 「日御碕灯台」 「おんな未練酒」 「島根恋旅」 「出雲雨情」 「雨の木次線」 「望郷しげさ節」 「鳥取砂丘」 「神在月」「白兎海岸」 「宍道湖暮色」 「出雲の女よ」 「島根恋旅」 「石見路ひとり」 「松江慕情」 「日登り駅」 「島根旅情」 「松江恋しぐれ」 「ひとり出雲路恋しぐれ」 「美保関潮歌」 「望郷神楽ばやし」 

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