神 話 の 出 雲 国・大 社 町 |
大社町の年中行事 |
毎年同じ歴日に、同じ行事を繰り返して行う周期的伝承行事を年中行事といいます。 |
第1節 正月行事 第2節 春から夏へ 第3節 盆 行 事 |
第4節 秋から冬へ 八月十五夜といって、月を通じて神へ初秋の収穫物をお供えして祀るという、自然崇拝の神祭り。
また旧十一月十一日から十七日にかけて行われる神在祭は、神送り、神迎えの神事が全国的に見受けられ、この地方では「お忌さん」と親しまれている。
このころから、十一月二十三日夜行われる大社の「古伝新嘗祭」を頂点として、収穫祭が行われ、農家における刈り上げ祝いとしての亥の子行事、 霜月祭において新穀をかもして造った御神酒を、神にお供えしてお祭りする神事、神々への感謝の祭りを終わり、また、新しい年を迎える準備にいそしむことになる。 |
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一、月待ち八月十五日仲秋の名月ともいわれる。芋名月とも芋子誕生ともいう。前日、里芋をとり、芋と団子をいれたお汁粉を作り供える 十五歳の男子は、この日まんじゅうに穴をあけ、月が昇ると拝んで、穴から月をのぞき、思いごとをかける。 二、みみげさん八月十五日十四日の夜から十五日にかけて、神さんが金馬に乗って歩かれるので、早く寝るよう親たちは子供にいい聞かせる。 十五日深更は、出雲大社の「身逃神事」が行われる日で、 「神さんが表を通られるのを、障子の穴からのぞきみすると犬になる」とたしなめられた。 仮の宮の「祝部上官家」では、ミミゲサンの晩に玄関式台に案を置き、お供え物をのせ、この晩、家内中で親戚に泊りに行く。 翌朝帰ってみると、お供えの瓜が真っ二つに割れていたという。 二、重陽の節句九月九日最上位の九の陽数が二つ重なるめでたい日柄。節句といって、菊の小枝を手折って神棚に上げる。この日、餅を搗き祝う。 四、恵比寿講十月上旬エビス信仰が盛んで、町内ごとに年番で頭屋が決まる。二十日恵比寿といって、二十日の祭りが多いが、お忌さんを迎えるまでに恵比寿講の講祭りを済ます。 頭屋では床飾りをして、区域内の恵比寿社からエビス・ダイコクさんの神像を迎え、床前に笹一対に注連縄を張り渡し、中央に鯛一対の懸魚を吊るしたものを飾り、 神主さんを招いて講員が集まりお祭りをする。また、神像の顔に化粧をほどこすことが古例になっている。 終わって道中、笹竹の注連縄を先頭に、船歌を謡いながら恵比寿社に神像を納める。 五、初子さん十一月の初子日昔は一年十か月といって、この日ハツネと称して、組中と家とで拝む。子祭り大根を徳に在方から売りにくる。また、大根にホクソと付木を添えて神棚に供え、小豆雑煮をして祝う。 六、初亥の子十一月初亥子供達は神さんの行事として、「今日は亥の子さん、亥の子餅搗いて祝ぬ者は 鬼々じゃ鬼 角の生えた子生め 荒神さんのなしょ場の中の子 チョン助の銭箱に 銭が三文いっちょって ちんからからから 鳴らかいた」と節まわし面白く、七つ、八つぐらいの子供たちを先頭に、夕食後、石に苧をつけて、戸口で どかんどかんと搗きながら歌い「祝ってがっしゃい、祝ってがっしゃい」といい、祝儀をもらう。 商売によって「ここは醤油や、なんぼ売れましたか、千石売れましたか、それは結構ご繁盛」神妙に祝って帰る。この日は、小豆飯で身祝する。 七、八日おやき十二月八日八日はんとも呼び、オヤキを焼いて、古針数本を刺し、川や海へ流す。 木綿宿の常連の娘たちは、一年中のかき入れ時として、オヤキの材料をだしこ(支出)して、晩のオヤキ売りの準備をする。 夜、若連中たちは、それぞれ変装して、蓑笠を被り、草鞋ばきで懇志家や定宿へ行き、ホイト(物乞いする者)の格好で哀れな声色を使い、 「オヤキがっしゃい(ください)オヤキがっしゃい」といえば、娘たちもそこは心得たもので、人によってはせぶらかし(からかう)て、 オヤキの中に灰とか唐辛子を入れたものをくれる。また、反面、若い衆もホウロクを持ち逃げするなど、この日は概して無礼講であった。 子供たちもオヤキもらいに参加して「オヤキ焼くててへそなでて、その手でお釈迦さんの頭なでた」、 また、「オヤキ焼くててへそ焼いた」などと節まわし面白くはやしながら、手分けしてオヤキを貰い、一か所に集まってオヤキを食べた。 七、冬 至十二月二十二日頃一年中で一番日の短い日で、この日を境に日が一日一日長くなる。一般家庭では豆腐料理、若もんでも若い衆が豆腐料理をして、八日オヤキの返礼に娘たちを呼ぶ。 大土地神楽十月二十四〜二十五日日大土地神楽は少なくとも二百年以上も前から、大土地荒神社の氏子中に伝承されているもので、 この神楽舞は現在、毎年十月二十四日の荒神社前夜祭と二十五日の例祭に舞われるほか、出雲大社の祭礼時にも奉納されている。 昭和六十年四月、県の民族文化財の指定を受けている。
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